以下は、LLLIサイトhttps://llli.org/qa-focusing-on-mothering-through-breastfeeding-when-accrediting-new-leaders-removing-separation-as-a-barrier/ の翻訳です。

リーダー認定時に母乳育児を通したマザリングに焦点を当てるQ&A – 「赤ちゃんと離れた経験」を障壁として取り除く

『PSR:LLLIの方針と規則』の『付録17』と『付録18』の改訂に関する理事会の決定について理解を深めるためのQ&A

2018年11月8日

要旨
LLLは長い間、赤ちゃんにはお母さんといっしょにいたいというニーズがあることを唱えてきました。その際、お母さんが赤ちゃんといっしょにいないこともあるかも知れないということを認識していました。理事会は、この2年間に得た情報を検討し、その結果、一つのことを決定しました。赤ちゃんと離れる時間や離れ方よりも、母乳育児による結びつきそのものに焦点を当てようという決定です。生後12ヵ月かそれ以上で、赤ちゃんがまだ授乳中であれば、母乳育児を通したマザリングによる結びつきが存在し、お母さんがその結びつきを大切にしていることを表しているといえます。リーダーと認定部所属リーダーは、母乳育児を通した結びつきの長さに加え、リーダー志願に関心のある人が、赤ちゃんといっしょにいるときに、赤ちゃんのサインやニーズへどのように敏感に応えているか、また、「LLLの考え方」のに書かれていることをどのように生活の中で実践しているかを、引き続き細かく見ていきます。

次のQ&Aは、いくつかのセクションに分かれています。タイトルをクリックすると対応する回答に飛びます。スクロールしてすべての質問と回答を読むこともできますし、特に興味のある質問だけを読むこともできます。別のセクションの中に繰り返し同じ情報が出てくることがあります。

このQ&Aには、簡易版があります。
英語:
https://llli.org/qa-concise-version-focusing-on-mothering-through-breastfeeding-when-accrediting-new-leaders-removing-separation-as-a-barrier/ 日本語訳: リーダーサイトエリア役員会からのお知らせ「リーダー認定時に母乳育児を通したマザリングに焦点を当てるQ&A簡易版」

ここで答えられていない質問がある場合は、地元のエリアやエリア・ネットワークの役員会と話し合って下さい。LLLI理事会 board@llli.org でも、質問を受け付けています。

目 次:
何を、どのように、どうして、変更したのでしょうか
 概要
 どのような変化があるでしょうか
 変わっていないのはどのような点でしょうか
 なぜこの変更が行われたのでしょうか
 LLLは、現行のガイドラインと方針声明によって、24時間ずっと赤ちゃんといっしょにいるわけではないお母さんを、すでに認定しています。この変更はアメリカの人を助けるためだけのものですか? 1つの国のためにほかのすべてのLLLが変わる必要があるのでしょうか?
 この変更を行うために、どのような手順を踏みましたか?
 「リーダー認定のタスクフォース」とは何ですか?
 「リーダー認定のタスクフォース」はどんなことをしたのでしょうか?
 理事会は母と子の関係に関する研究を確認したのでしょうか?

この変更は、「LLLの考え方」に、どのように沿っているのでしょうか?
 赤ちゃんのニーズは変わっていません。 LLLはなぜ変わったのですか?
 何時間もお母さんから離れる赤ちゃんには、どのような影響があるでしょうか?
 12ヵ月で授乳している人は誰でもリーダーになれるのでしょうか?

リーダーと認定部所属リーダーは、この変更をどうやって適用していけばいいのでしょうか?
 この変更により、リーダーと認定部所属リーダーにはどのような影響があるでしょうか?
 リーダー志願に関心のある人が遠隔地にいる場合、お母さんと赤ちゃんのかかわりの様子をどうやって知ればいいのでしょうか?
 これは私たちがこれまでしてきた方法ではないでしょうか?私たちは、サポートリーダーからの推薦を信頼しているのではないでしょうか?
 お母さんが1日1回だけ母乳を与えている、というような場合はどうなるのでしょうか?
 今も受け付けられないアプリケーションはありますか?
 志願に関心のある人が、赤ちゃんの世話をする人に自分の育児方法についてどのように伝えているかを、質問することはできますか?
 母乳育児の結びつきや、お母さんが赤ちゃんのニーズに応えているかを知るために、どのような質問をするといいでしょうか?
 これによって、リーダーがLLLを代表することに影響を与えますか?
 保留中のアプリケーションはどうなりますか?
 認定部所属リーダーは、リーダーに対して、以前に受け付けられなかった志願が再提出できる可能性があることを伝える必要がありますか?
 認定部はまだ国際的な部門ですか?

この変更は、志願の手続きにおいて主観性を取り除くことにどのように役立つでしょうか?
 この新しい声明は主観性を取り除くことができるでしょうか?
 「母乳育児を通したマザリングに焦点をあてること」は、話し合いをより一方的にする危険性があるのではないでしょうか?
 どのようにしたら、主観的ではない決定をすることができるでしょうか

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何を、どのように、どうして、変更したのでしょうか

概要

これまでも何度か、リーダー認定に関して次のような課題がリーダーから挙げられていました。例えば、赤ちゃんと離れた経験のある人が志願を希望するとき、どのように扱われ、志願を受け付けられるかどうかに統一性がないこと。また、働く親への差別とも受け止められる条件が、収入の制約があるために共働きをせざるをえない人々に影響を与えているのではないか、といったことなどです。
認定部所属リーダーが実施したアンケートや、LLLI の「リーダー認定のタスクフォース」(訳注:タスクフォースとは、特定の話題に関して話し合うグループのこと)の作業を通してて、『LLLIの方針と規則』の中の『付録17』と『付録18』に、明確性が欠けていることが示されました。この指摘はさまざまなエリアや国で見られました。
理事会は、公平な認定とさらなる多様性を確かなものとするために、これらの問題に取り組んでいます。理事会は、さまざまな人がリーダー志願でき、そして公平な認定がおこなわれるように、これらの課題に取り組んできました。

どのような変化があるでしょうか
「10コンセプト」と「志願のための必要条件」、そして認定の基準について、リーダー志願に関心のあるすべての人に対し公平に目を向けることができるようになるでしょう。お母さんと赤ちゃんが築いている結びつきに焦点を当て、その結びつきがどのようにはぐくまれていくのかを見ていきます。母乳育児の経験を通してどのようなマザリングがなされているかを評価するための大切なポイントには、次のようなことが含まれます。
 お母さんが赤ちゃんといっしょにいる様子を観察する
 1対1で話す
 お母さんと実際に会って、あるいはオンラインのツールを使って話し合う(注を参照)
 志願に関心のある人が、メールやそのほかのオンラインでの対話、また手紙などでのやり取りによって、赤ちゃんとの関係について詳しい様子を話せるようにする

注:志願に関心のある人が遠隔地にいる場合、オンラインのコミュニケーション・ツールを活用して話をすることは、リーダーと志願に関心のある人双方にとって利点があります。
12ヵ月かそれ以上にわたる母乳育児の結びつきにつながることを示す次のような行動を重視します:
 赤ちゃんといっしょにいるときに、赤ちゃんの出すサインを理解して、それに応えるマザリングをしている
 スリングや抱っこ紐を使ったり、あるいはほかのやり方で抱っこやおんぶをしたりして赤ちゃんを「身にまとう」ようにして過ごしている
 赤ちゃんのニーズを満たすマザリングをし、夜間の授乳をおこなう
 赤ちゃんが補完食(離乳食)を食べる準備ができていることや母乳への関心が低下していること、また赤ちゃんの自立心が育っていることなどをお母さんが認識していることを示す時間をかけた卒乳を実践する

変わっていないのはどのような点でしょうか
「子どもは生まれてから数年間、食べ物を求めるのと同じように基本的欲求(ニーズ)として、『お母さんといっしょにいたい』という強い欲求(ニーズ)を持っています」
リーダー志願に関心のある人が、このコンセプトやその大切さについてどのように理解し、自分の子育ての中で、ほかの人のモデルともなるような形でどのように実践しているかについて話し合いをすることに変わりはありません。
「10コンセプト」を全体で1つのものとして捉えます。「10コンセプト」のそれぞれが、お母さんと赤ちゃんの健康的な結びつきに貢献しています。
 リーダーと認定部所属リーダーは、志願に関心のある人の経験や考えが「LLLIの考え方」とどれくらい一致しているかについて、引き続き細かく見ていきます。
 赤ちゃんのニーズは変化していませんが、お母さんといっしょにいたいという強いニーズがある期間の長さについての理解は、最近の研究によって変わってきました。 LLLIは、母乳育児をする親子にとって助けになる動きを引き続きサポートします。
 LLLIは、「10コンセプト」にまとめられた「LLLの考え方」を反映した母乳育児をしているお母さんに、引き続きリーダーになる機会を提供します。
 LLLIは、赤ちゃんのお母さんといっしょにいたいという強いニーズ、そして、お母さんが赤ちゃんといっしょにいるときに、赤ちゃんのニーズにどのように応じ、赤ちゃんのサインをどのように理解し、赤ちゃんのニーズにどのように注意を向けているかということについて、引き続き焦点を当てています。

LLLIはお母さんの母乳育児とマザリング経験の全体を見て、LLLIの考え方がどのように反映されているかを全体的に見ていきます。

 LLLIは、エビデンスに基づいた研究で「10コンセプト」を支持し続けています。
 LLLIは、引き続き「胸で母乳を飲ませながらの育児」を基本と見なします。ただし、「特別な考慮」*の適用については、引き続き配慮されます。

*訳注:「志願のための必要条件」の最初の項目「個人の母乳育児経験」に書かれているように、キャンディデイトの母乳育児経験が例外的な状況だった場合は、特別に考慮される場合もある。

なぜこの変更が行われたのでしょうか
認定部本部、認定部所属リーダー、そして多くのDCE*のリーダーは、世界でおこなわれているリーダー認定において公平性と一貫性があるようにしてほしいと、何年もの間、求めてきました。
世界のどの場所でリーダー認定がおこなわれていても責任を持つ立場であるLLLI理事会は、リーダーになるための最も重要な基準は母乳育児による結びつきであり、これがリーダー認定の焦点であるべきだと理解するにいたりました。
これまでは、お母さんが赤ちゃんにまだ授乳しているということよりも、お母さんが赤ちゃんとどのくらい離れたかどうかが話し合いの焦点となることがありました。これからは、赤ちゃんと離れた経験を見る代わりに、母乳育児による結びつきと、お母さんが生後12ヵ月かそれ以上授乳している(授乳していた)ということに焦点を当てていきます。12ヵ月時点での授乳という望ましい結果につながる行動には、例えば次のようなものがあります:
 赤ちゃんといっしょにいるときに、赤ちゃんの出すサインを理解して、それに応えるマザリングをしている
 スリングや抱っこ紐を使ったり、あるいはほかのやり方で抱っこやおんぶをしたりして赤ちゃんを「身にまとう」ようにして過ごしている
 赤ちゃんのニーズを満たすマザリングをし、夜間の授乳をおこなう
 赤ちゃんが補完食(離乳食)を食べる準備ができていることや母乳への関心が低下していること、また赤ちゃんの自立心が育っていることなどをお母さんが認識していることを示す時間をかけた卒乳を実践する

さらに、ほかの「10コンセプト」の多くが、12ヵ月かそれ以上の思いやりある母乳育児の結びつきといった望ましい結果につながる行動について述べています。

*DCE: Direct Connect Entityの略で、LLLIに直接(directに)つながっている(connect)組織(entity)ヨーロピアン・エリア・ネットワーク (EAN)、インタナショナル・エリア・ネットワーク (IAN)、Ligue La Leche(フランス語圏カナダ)、 LLL カナダ、 LLL イギリス、 LLL ニュージーランド、 LLL USAからなる。

LLLは、現行のガイドラインと方針声明によって、24時間ずっと赤ちゃんといっしょにいるわけではないお母さんを、すでに認定しています。この変更はアメリカの人を助けるためだけのものですか? 1つの国のためにほかのすべてのLLLが変わる必要があるのでしょうか?
多くのエリアでは、赤ちゃんと離れた経験があるという理由で志願を受け付けられていない一方で、母乳育児やマザリングの経験を熟慮したうえで、赤ちゃんと離れた経験のある人が認定
されているエリアもあるということが、「リーダー認定のタスクフォース」の話し合いでわかりました。国際的な組織として、「リーダー認定のための必須項目」はすべての人に対して公平に、一貫して適用させることが必要です。

この変更を行うために、どのような手順を踏みましたか?
理事会メンバーであり元認定部総責任者であるセシリー・ハーキンスが、2017年11月に認定部の歴史の概要を提示し、IMI*の代表であるリンダ・オーウェンズが、理事会において、将来を視野に入れた議論を進めました。この会議では、理事会がより的確なサポートと意見を認定部に提供するにはどうすればよいかを考えるために、「リーダー認定のタスクフォース」が立ち上げられました。この問題をよりしっかりと調べて、理事会へ勧告を行うため、世界中のリーダーと認定部所属リーダーがこのタスクフォースへ招かれました。

* IMIはLLLIの事務や経理を担当している会社

「リーダー認定のタスクフォース」とは何ですか?
「リーダー認定のタスクフォース」は理事会が作ったグループで、リーダー認定の手順が世界的に一貫して実施されることを確実にするためのアイデアと、それに役立つ手引きの作成を担当します。タスクフォースには、LLLI理事会のメンバー、認定部本部のメンバーとそのほかの認定部所属リーダー、そして、すべてのDCEがそれぞれに選んだリーダーの代表が含まれ、国際的な観点と幅広い経験を活かしながら話し合いがおこなわれました。
「リーダー認定のタスクフォース」のメンバーについては、こちらからご覧ください:https://llli.org/about/whos-who-in-la-leche-league/board-committees-task-forces-work-groups/

「リーダー認定のタスクフォース」はどんなことをしたのでしょうか?
この「タスクフォース」は、リーダーが何を心配事と思っているのか調べ、問題を解決するためのアイデアについてあらゆる角度から意見を出し合いました。メンバーはアイデアがよりすばらしいものになるように話し合い、理事会に対して多くのことを提案しました。 赤ちゃんと離れた経験に関することが最も急ぎの課題であるという意見があり、理事会はこの課題を最初に検討することとなりました。

理事会は母と子の関係に関する研究を確認したのでしょうか?
はい。 理事会は現在も、LLLが62年間にわたり伝え続けてきた内容を裏付けるデータを集めています。LLLは、根拠に基づいた研究が私たちの「10コンセプト」を科学的に裏付けるようになるずっと前から、この「LLLの考え方」の大切さを知っていました。「母乳育児を通したマザリングをより包含的に見る方法について」を参照ください。この文書には、多数の参考文献も記載しています。

この変更は、「LLLの考え方」に、どのように沿っているのでしょうか?
赤ちゃんのニーズは変わっていません。 LLLはなぜ変わったのですか?
お母さんといっしょにいたいという赤ちゃんの強いニーズについてのコンセプトが最初に採択されたのは、1971年のことです。そのときは、このように書かれていました。「赤ちゃんには、お母さんに愛され、そしていっしょにいたいという基本的なニーズがあり、それは、食べ物を求めるのと同じように強いものです。お母さんが何か事情や理由によって、いっしょにいられないことがあったとしても、そのときもこのニーズは残っています」創設者が持っていた
「お母さんが赤ちゃんといっしょにいられないことがあるかもしれない」という認識を、理事会は尊重しています。
赤ちゃんのニーズは変わっていません。LLLIは、育児休業がよりよいものとなるように、また、適切な保育の選択肢が得られるように、そしてお母さんと赤ちゃんがいっしょにいることがより理解されるために世界中のリーダーがしていることはすばらしいと考え、支持しています。私たちは、母乳育児中の親子をサポートするために社会が変わらなければならないと考えています。政府、地域社会、大学やそのほかの学校、そして職場は、働いたり勉強したりしているお母さんに合うように変わる必要があります。また、私たちは、お母さんが働き、それよって赤ちゃんと離れることなしには生きていけない家族が多くの国にたくさんいることを認識しています。この変更により、赤ちゃんと離れた経験自体は、志願を受け付けない理由ではなくなりました。

何時間もお母さんから離れる赤ちゃんには、どのような影響があるでしょうか?
お母さんと赤ちゃんが長い時間離れる経験をしながら、母乳育児が12ヵ月間続けられるということは一般的ではありません。おっぱい関係を続けているということは、お母さんが、赤ちゃんの基本的欲求(ニーズ)を最も敏感に満たすことを通して赤ちゃんとふたたび結びつく努力をしていることを物語っています。赤ちゃんのニーズは、栄養と慰めを得たいということと、お母さんとふたたび結びつきたいということであり、直接母乳を飲ませることでその両方を満たすのです。 私たちがよく知っているように、ぬくもり、心地よさ、そして栄養といった赤ちゃんのすべてのニーズと、母乳育児によって築かれた赤ちゃんとお母さん双方の身体的情動的な結びつきのニーズをこれほど美しく、しかも一瞬にして満たす行動は、母乳育児のほかにはありません。

12ヵ月で授乳している人は誰でもリーダーになれるのでしょうか?
母乳育児を12ヵ月のあいだ続けることは、「志願のための必要条件」を検討するうえでの1つの要因にすぎません。これまでと同じように、認定されたリーダーは、「LLLの考え方」すべてを実践してほかの人に示すことが求められます。リーダー志願に関心のある人を推薦するリーダーは、その人が、「10コンセプト」をどのように理解し、それを自分の生活にどのように実践しているかについて、細かく見ていく必要があります。

リーダーと認定部所属リーダーは、この変更をどうやって適用していけばいいのでしょうか?

この変更により、リーダーと認定部所属リーダーにはどのような影響があるでしょうか?
この決定によって、リーダーと認定部所属リーダーは、母乳育児による結びつき全体に焦点を当てることができるようになります。志願に関心のある人が、母乳育児による結びつきをどのように理解して、それをどのように保っているかを知るためには、次のような質問をすると役立つでしょう:
 母乳育児を通して赤ちゃんのニーズに応えるマザリングをどのようにおこなっているか
 赤ちゃんに母乳を飲ませ続け、おっぱいカップルの関係を保つために何をしているか
 赤ちゃんといっしょにいるときに、赤ちゃんのニーズにどのように応えるマザリングをしているか
 母乳育児による結びつきを保つために何をしたか
 「お母さんといっしょにいたい」のコンセプトをどのように理解し、赤ちゃんといっしょにいるときのマザリングにどのように反映しているか
サポートリーダーとしては、
 これまでしてきたように、話し合いをすることができます
 お母さんと赤ちゃんがどのような結びつきを築いているかについて、1つのことにとらわれることなく、深く話し合うことができます

認定部所属リーダーとしては、
 志願に関心のある人と話し合うときは、1つのことをほかよりも重視することなく、お母さんと赤ちゃんがどのような結びつきを築いているかということについて、今まで通り全体に焦点をあてて話し合うことができます

リーダーと認定部所属リーダーは志願に関心のある人が、「10コンセプト」のすべてを自分の生活にどのように実践しているかについて、細かく見ていく必要があります。12ヵ月間の母乳育児は、母乳育児による結びつきが強いことの一つの指標ですが、大切なのはそれだけではありません。

リーダー志願に関心のある人が遠隔地にいる場合、お母さんと赤ちゃんのかかわりの様子をどうやって知ればいいのでしょうか?
志願に関心のある人についてできるだけよく理解するために、オンラインのコミュニケーション・ツールを使用することをおすすめします。

これは私たちがこれまでしてきた方法ではないでしょうか?私たちは、サポートリーダーからの推薦を信頼しているのではないでしょうか?
認定部所属リーダーとお母さんを推薦するリーダーは、志願に関心のある人が「志願のための必要条件」を満たすかどうか考えるとき、協力しあうよう努めています。それでも、赤ちゃんと離れた経験についてどのように扱かうかは世界の地域によって差があることがあきらかになりました。私たちの決定は、認定手続きが世界中で同じように行われることを確かにするものです。

お母さんが1日1回だけ母乳を与えている、というような場合はどうなるのでしょうか?
これはまれなことかもしれませんが、12ヵ月でどれくらいひんぱんに授乳するかということには多くの要因が関係するので、1日1回の授乳が、ある赤ちゃんにとって正しいか間違っているかということを判断することはできません。したがって、「正しい」母乳育児の頻度として回数を設定することはできません。赤ちゃんといっしょにいるとき、どのように赤ちゃんのニーズを理解し対応しているかをたずねることで、赤ちゃんのニーズに応えるマザリングをしているか確認することができます。

今も受け付けられないアプリケーションはありますか?
このように何に焦点を当てて話し合うかが変更されたからといって、赤ちゃんと離れた経験をした人のアプリケーションがすべて自動的に受け付けられるわけではありません。リーダーと認定部所属リーダーは、母乳育児を通してマザリングをすることや、母乳育児を通した赤ちゃんとの結びつきについて本人が理解しているかを含め、「志願のための必要条件」すべてに基づいて考え、リーダー志願できるかどうかを考えるよう求められます。

志願に関心のある人が、赤ちゃんの世話をする人に自分の育児方法についてどのように伝えているかを、質問することはできますか?
愛情ある導きについての情報を赤ちゃんの世話をする人に分かち合っているかどうかをたずねることはできますが、お母さんがその人に要求できることには限度があるように、保育者がそれを実践していることを私たちが要求することはできません。お母さんが選択したマザリングを支持してくれる人を、お母さんが見つけることを願っています。この問題についてより深 く考えてみると、私たちは、リーダーのパートナーが愛情ある導きをすることを認定の条件にしたことはないのと似ています。実際には、リーダーが愛情ある導きに関する情報をパートナーに提供したにもかかわらず、パートナーは子どもを対して厳しく罰するというリーダーが多くいます。私たちは、お母さん以外の人がどのように「LLLの考え方」を実践するかを見て、志願できるかどうかを評価することはありません。お母さん自身が、自分の生活にこの考え方をどのように取り入れているかについてのみ評価します。

母乳育児の結びつきや、お母さんが赤ちゃんのニーズに応えているかを知るために、どのような質問をするといいでしょうか?
これまで通り、リーダーと認定部所属リーダーは、「LLLの考え方」をどのように理解しているか、マザリングと母乳育児の経験、そして、母乳育児を通してのマザリングが生活の中でどのような役割を果たしているかについて、細かく見ていきます。
志願に関心のある人が、「LLLの考え方」や母乳育児を通してのマザリングを生活の中でどのように実践しているかを知るために、次のような質問が役立つかもしれません:
 赤ちゃんといっしょにいるときの典型的な一日は、どのように過ごしていますか?
 赤ちゃんがよくぐずるときは、どのように対応していますか?
 夜間の子育てをどのようにおこなっていますか?
赤ちゃんの、お母さんといっしょにいたいというニーズを、赤ちゃんといっしょにいるときにどのように満たしているかについて、聞くこともできます。

これによって、リーダーがLLLを代表することに影響を与えますか?
そのようには思いません。私たちは、LLLのサポートがまだ十分にいきわたっていないところで、リーダーが認定されることによって、母乳育児の支援と「LLLの考え方」がより多くの人に広がることを期待しています。これまでと同じように、「LLLが必要と定めていることと、リーダーが個人的に持つLLLリーダーのイメージを分けて考えなくてはいけません。リーダーは冷静に、また相手の状況を客観的に見ることが必要です。お母さんの考え方、経験、そしてスキルに焦点を当て、それがリーダーの務めを果たすのにふさわしいか、また必要条件を満たしているかを考えます」(認定部所属リーダー向けのガイドブック、『認定部マニュアル』より)ということを覚えておきましょう。私たちが認定する人はみなそれぞれに、組織を発展させる強みと知識をもたらします。

保留中のアプリケーションはどうなりますか?
赤ちゃんと離れた経験に関係する問題について理事会が話し合っていたあいだ保留になっていた志願は、今より、理事会の決定に照らして「志願のための必要条件」が満たされるか話し合われます。

認定部所属リーダーは、リーダーに対して、以前に受け付けられなかった志願が再提出できる可能性があることを伝える必要がありますか?
この決定はすべてのリーダーに伝えられています。今までに志願を受け付けられず、ふたたび志願したいと考えているお母さんがいる場合は、リーダーはこの情報を伝えることができます。

認定部はまだ国際的な部門ですか?
リーダーの認定は、これまでも、またこれからも、世界的に共通しておこなわれます。母乳育児をしている家族をサポートすることに関して権威ある団体として認められているLLLIの信頼性は、世界的に「リーダー認定のための必須項目」を運用していることから来ています。

この変更は、志願の手続きにおいて主観性を取り除くことにどのように役立つでしょうか?
この新しい声明は主観性を取り除くことができるでしょうか?
赤ちゃんと離れた経験に関して、主観性を取り除くことができます。 この決定によってリーダーと認定部は、赤ちゃんと離れた経験よりもその結びつきに焦点を当てることができるようになります。志願に関心のある人は、母乳育児を通してどのように赤ちゃんのニーズに応えるマザリングを示していますか。お母さんと赤ちゃんがいっしょにいることやそのほかのことをどのように示しているでしょうか。私たちは、赤ちゃんと離れた経験ではなく、マザリング全体を見ていきます。赤ちゃんが1才でまだ授乳している場合、それは強い母乳育児の結びつきを示しているといえます。

「母乳育児を通したマザリングに焦点をあてること」は、話し合いをより一方的にする危険性があるのではないでしょうか?
志願に関心のある人が自分の生活の中でマザリングを通した母乳育児をどのようにおこなうかについて、リーダーと認定部所属リーダーが参照するための手引きをLLLIから提供します。赤ちゃんと離れた経験を見る代わりに、私たちはマザリングの全体を見ていきます。

どのようにしたら、主観的ではない決定をすることができるでしょうか
「志願のための必要条件」の1つひとつを満たしているかについて、厳密な「ルール」は、これまでもありませんでした。なぜなら、一人ひとりの状況がさまざまに異なるからです。私たちは、判断のために客観的に参照する「Yes / No」式のチェックリストを作ることはできません。ですから、「志願のための必要条件」を満たしているかの評価は、常にある程度の主観が混じることはあるものの、「LLLの考え方」を全体として理解し、反映することができるかが鍵となるのです。「10コンセプト」の一つひとつについて、自分の考えや、生活でそれをどのように実践しているかについて話すことで、その人が「LLLの考え方」の例を示すことができるかどうか知ることができます。

もっと読む&情報さらなる情報
Appendix 17: Concept Policy Statements from LLLI Policies and Standing Rules Notebook (LLLI PSR) 付録17:『PSR:LLLIの方針と規則』より「コンセプトの方針声明」

Appendix 18: Applying For Leadership from LLLI Policies and Standing Rules Notebook (LLLI PSR) 付録18:『PSR:LLLIの方針と規則』より「リーダー志願 」

リーダーサイトエリア役員会からのお知らせ「母乳育児を通したマザリングをより包含的に見る方法について」

地元の認定部責任者(CLA)や、エリア役員会、またはDCE(訳注:日本が所属するDCEはインタナショナル・エリア・ネットワークIAN)の役員会、そしてLLLI理事会に問い合わせすることができます。理事会の連絡先はboard@llli.orgです。